私たちの社会において、幼稚園や保育園を経て、小学校・中学校・高校・大学（短大・専門学校）というような目に見えない教育のレールがあります。（小学校から中学校は義務教育）
その中にはさらに学校のレベル（偏差値）というようなものまでがあります。
そして、その最終学歴によって、取得できる資格や就職先も変わってきて、それが年収にも直結してくるというのが、私たちが暮らしている社会の現状なのかもしれません。

もちろん、学歴が全てではないということは誰もが知っていることで事実だとも思いますが、自分の学歴に対してコンプレックスを持っているという方と高卒認定受験専門校で働く私はよく出会うことがあります。
今回はその学歴コンプレックスについて考えてみていきたいと思います。

学歴コンプレックスを抱えている人たちの声

私が今までにお問合せを頂いた方や受講生の方から聞いた話をご紹介します。

「今、社会人として働いているけど、中卒であることを隠して今の会社で働いています。
バレたらクビにされるかもしれないのでビクビクしているんですよ。」（30代女性）

この方は元々スポーツ用品の販売メーカーに勤めていて、それなりの収入を得ていたのですが、その会社から突然リストラを言われて職を失いました。
再就職をするにしても、中卒ではなかなか仕事が見つからず、最後は高卒だと嘘をついて今の会社に就職したとのことでした。
そんな自分が嫌で今からでも高校卒業資格は取れないものかとご相談を頂きました。

「自分が高校中退であることが原因で自分に自信が持てないんです。」（20代男性）

彼は受講生の方で、現在は夜の仕事をされています。
同年代の人に比べればそれなりの収入を得ているそうですが、友人やお客さんとの会話の中で学歴の話になると話題に入ることができず辛い思いをしたことがあったそうです。
「そんな会話になることもそうそうないんですけど、その話題になるんじゃないかって身構えてしまうこともあるんですよ。それぐらい学歴に対するコンプレックスを抱えているんですよ。」

「私は今会社を経営していますが、経営者仲間での付き合いの中でも自分だけが中卒だということにずっと引け目を感じています。それと社員に対しても格好がつかないですよね。」（40代男性）

この方も受講生の方で、会社経営をされているのですが、昔からずっと学歴コンプレックスを抱えていたようです。

どうしてコンプレックスを抱えてしまうのか？

それでは、どうしてこのような学歴コンプレックスを抱えてしまうのでしょうか？
その原因は、学歴による人からの目や、学歴によって就職先や出世が左右されるといったようなことがある社会全体の風潮にあるように感じます。

私は20代の頃、5年ほど海外に住んでいましたが、海外で出会う人たちは特に学歴を聞いてはきません。それよりも、これまで何をしてきたかということを聞かれることが多かったです。その人が今までどんな生き方をしてきたのかということを重要視されていたように感じます。

日本の学歴社会というものも最近では以前と比べればだいぶ薄れてきているのかもしれませんが、それでもまだ根強く残っているというのが現状でしょう。
そのため、先ほどご紹介させて頂いたような方達が出てきてしまうのではないでしょうか？

ゴボウはゴボウ、ニンジンはニンジン

私はこの学歴という問題に関わらず、私たちが暮らす日本の社会は特に人の目を気にし過ぎる社会であると感じます。
学歴、容姿、仕事、年収、生活、能力など、人と比べることで自分を自分で追い込み、苦しくさせてしまっているのではないでしょうか？
そもそも私たち人間はそれぞれが違った個性を持っています。
ゴボウはゴボウで、ニンジンはニンジン。
ゴボウはどうやってもニンジンにはなれないし、ニンジンはどうやってもゴボウにはなれません。
それぞれの特徴の活かし方というものがあるのではないでしょうか？

話が少しズレてしまいましたが、そもそもコンプレックスなど感じる必要はないのではないでしょうか？
学歴についても今の自分の生き方に満足しているのであれば、中卒でも構わないのではないかと私は思います。

ただ、もし現状に満足していなくて、中卒であるという理由でなりたい自分になることの障害となっていると感じているのだとしたら、コンプレックスを抱えて苦しんでいるよりも、そのコンプレックスをすぐに解消してしまった方が得策なのではないでしょうか？

今回、ご紹介させて頂きました方達はそれに気がつき、高卒認定を取得して次のステップに進もうと決意されました。
3人の方とも、仕事をされながら高卒認定の取得に成功されました。
高卒認定の他にも通信制高校という方法もあります。
この記事を読んで頂いた方も、やらない理由ややれない理由はたくさんあるかと思いますが、やれる方法も確実に存在していて、実際にそれを実行に移している人たちがいるということを知って頂けたらと思います。

もし、今学歴コンプレックスで悩んでいるとしたら、学歴コンプレックスで悩んでいるその時間を前に進むための時間に是非使ってみて下さい。
そこから必ず未来が切り開けていくはずです。