高卒認定を取って、就職に役立つのか。就職を意識している中卒の方なら、一度は考えたことがあると思います。結論から言うと、「あなた次第」です。
どんなに難しい資格でも、簡単な資格でも、それを取得したプロセスや学んだことを会社でどう活かすかをアピールすることが大切です。
高卒認定は、就職・転職の時に高卒以上の求人に応募できるだけでなく、その後のキャリアアップにも大きく役に立ちます。自信を持って、高卒認定を取得したことをアピールしましょう。
また、私どもJ-Web Schoolでは、「高卒認定は履歴書のどこに書けば良いのか」という質問をよく頂きますが、その中でも特に多い質問が、「高卒認定合格」は学歴欄に書くのか、それとも資格欄に書くのかというものです。結論から言いますと、どちらに書いても大丈夫です。
しかし、履歴書は履歴書を出すために書くのではなく、最終目的はあくまでも自分が志望する会社でバイトや就職をすることですよね。
深く考え過ぎずに、自分の良さをアピールして希望の仕事に就きましょう!
このページは、「高卒認定に合格したら履歴書のどこに書くの?」「実際書いたとして、どうアピールしたら良いの?」という疑問を持っている方に向けて書いています。
面接は人と人の会話なので、絶対の正解はありません。
しかし、事前に準備しておくことで、慌てず落ち着いてスムーズにアピールできます。
履歴書の「学歴欄」「資格欄」どちらに記載しても良い
先にも述べましたが、高卒認定の合格は、「学歴欄」「資格欄」のどちらに書いても大丈夫です。
ただし、大学や専門学校を出ている場合は、学習の経歴が分かるように「学歴欄」に書くことをお勧めします。
もし資格欄に高卒認定取得を記載すると「中卒→大卒」となりますので、少しわかりづらいですよね。
履歴書は自分を相手に伝えるものですので、履歴書を読む人の気持ちになって考えてみることが大切です。
「学歴欄」「資格欄」、どちらに書く方が自分の中でアピールになるかを考えてみるようにしてみましょう。
学歴欄に書く場合
それでは、実際にどのように書いたら良いのでしょうか?
書き方としては、
平成●●年●月 ●●高校入学
平成●●年●月 ●●高校中退
「平成●●年●月 高等学校卒業程度認定試験合格」
平成●●年●月 ●●大学入学
平成●●年●月 ●●大学卒業
資格欄に書く場合
平成●●年●月 実用英語技能検定 2級合格
平成●●年●月 普通自動車第一種運転免許 取得
「平成●●年●月 高等学校卒業程度認定試験合格」
高認の企業認知度は高いが「内容は知らない」が24.9%。
そもそもの疑問として、面接に行く企業は高卒認定を知っているのでしょうか?
企業に面接に行った時にどんな反応をされるのか、そもそも知っているのか、これから面接に行くとしたら知りたいところですよね。
それでは次に、企業側の高卒認定に対する認知度を見ていきたいと思います。
高卒認定を「知っている」と回答した企業は平成22年時で60.3%、「名前は知っているが内容は知らない」と回答した企業は24.9%となります。(現在はもっと増えていると予測できます。)
そうすると、高卒認定を知っている企業は合計すると85.2%ということになります。希望が持てますね!
ただし、「内容は知らない」と回答した企業が約4分の1なので、面接に行ったら「高卒認定ってどんな資格でしたっけ?」と聞かれる可能性があります。
高卒認定について企業に質問された時に備えて、高卒認定についてきちんと説明できるようにしておきましょう。
高認と高卒の待遇の差はあるのか?
では、高卒認定と高校卒業の待遇の差についてはどうでしょうか?
データを見ると、高卒と高卒認定を同等には扱わないと答えている企業は僅か1.3%しかありません。
つまり、98%以上の企業が高卒と高卒認定を同等に見ているということになります!
高卒ではないからと言って恐れずに是非前向きに就職活動を頑張ってみて下さい!
面接官が不安を持つとしたら「皆ととうまくやれるか」である。
企業が高卒認定合格者を採用する際に、不安に感じてしまうことはあるのでしょうか?
高卒認定合格者を採用することに多少なりとも不安を持っている企業は19%ですが、その19%の企業が不安に思っている要素は何なのでしょうか?
企業のアンケートの回答によると、不安があるとしたら「社会性、集団行動、組織への適応について不安があるため」というものが77.3%でした。
でも、そんな企業側の気持ちに先回りして面接の準備をすれば良いでしょう!
例えば、アルバイトで働いた経験やボランティア活動をした経験など、人と協力したり指示をもとに動いたりすることがあればそれらは全てアピールポイントになります。
前職がある方は、前職で他の仲間とどのように働いてきたのか、集団でどんな役割を果たしてきたのかを前向きにアピールしましょう。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/01/__icsFiles/afieldfile/2013/01/23/1330270.pdf
【参考】文部科学省:平成25年「高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する 調査の結果について」
面接では、高卒認定取得の理由は聞かれるものと思うべし
さて、アルバイトや就職の面接において、仕事内容の確認や勤務条件だけでなく、人柄も見ています。
面接官は履歴書(場合によっては職務経歴書も)のデータからでしかあなたのことを判断できません。
まずは履歴書に書いてある内容が全てで、それらがあなたの経歴となります。
「なぜその学校を選んだのか」「なぜ高卒認定を取ったのか」など、あなたの人柄を知る上で聞いてくると考えた方が良いかと思います。
「でも、どうやって説明すれば良いんだろう?」・・・と不安に思わなくても大丈夫。です!
前向きに伝えられれば十分アピールになります。
前向きにアピールすることが大事
同じことを誰かに伝えるにしても、その伝え方によって印象はだいぶ違うことがあります。
例えば、「高校中退」を例に取ってみても、
「ただ何となく高校を辞めました」「出席率が足りなくて高校を辞めました」と答えるのと、
「自分のやりたいことをやるために(何かの勉強をするために)高校を辞めました」「高校で学ぶよりも、社会に早く出て働く経験を重視しました」と答えるのでは印象はだいぶ変わってきます。
考えてみるヒントは、以下の3つです。
落ち着いて、自分とじっくり向き合ってみて下さい。
①高卒認定の学習をする過程で何を得たのか?
②どんな自分になれたのか?
③どんなことを学んだのか?
前向きなものは、必ずあるはずです。
経済的事情で中卒・中退の場合
もし、あなたが経済的事情により、中卒だったり高校中退だとしたら、そのまま面接官に伝えるのが良いかと思います。
そして、なぜ中卒・中退のままではなく高認を取ったのかをアピールすると良いでしょう。
【例】
「経済的事情により高校に進学しなかったので中卒ですが、どうしても○○の資格を取り○○になりたくて高認を取る決意をしました。その資格を活用できる御社で是非働きたく思います。」
【例】
「経済的事情により高校を中退しましたが、このままではいけないと思い、高認を取る決意をしました」
病気のため中卒・中退の場合
もしあなたが病気のために中卒・中退だった場合も、こちらもやはり正直に話をするのが良いかと思います。
ただし、現在の病気については適切に伝えることが大事となります。
採用する企業は基本的にあなたに長く働いて欲しいので、あなたの健康状態はかなり気にされます。
企業が気になるポイントは、主に以下の3つです。
①現在は完治しており、業務に支障が無いか
②通院をしている場合、業務に影響があるか
③服薬などにより、特定の業務が難しくないか
【例】
「病気のために高校を中退してしまったけれど、その病気になったおかげで自分と向き合える時間が増えて、自分の本当にやりたいことを見つけることができました。」
【例】
「病気のために高校を中退しましたが、現在は完治し、業務に支障はございません。高校に通い直すよりも、高卒認定を取得する方が皆と同じタイミングでスタートできると思いましたので、高校には編入せず、高卒認定を取得しました」
昔やんちゃしていて中卒・中退の場合
次に昔やんちゃしていて中卒・中退の場合ですが、この場合は判断に迷うところですね。
昔のやんちゃがあって、今大切なことに気付いた等のアピールが有効なこともありますが、
学業をしっかりやってこなかったことに対して厳しい面接官もいるので、慎重になった方が良いかもしれません。
ただ、その頃のことを深く反省しているという前置きを置きつつ、その過去のことで大切なことに気づけたということをうまく説明できるのであれば良いかと思います。
自分の良さを発掘しよう!当てはまるアピールを探してみよう!
どうしても前向きになれない人、自分に厳しい人、自分の良いところなんて見つからない人、自分には悪いところばかりだと思う人がいます。
そういう人は考え方の転換をしてみましょう。
無理やりのこじつけではなく、物事をどう見るかによって、自分をいくらでもアピールできます。
例えば、自分ではマイナスだと思ってコンプレックスだと思っていた「お節介」が、相手から「いつも気にかけてくれる」というプラスの性格と判断されていたというのはその例です。
一般的にマイナスなことでもプラスなことに言い換えることができます。
【例】
根気がない → 肩の力を抜いて取り組める
協調性がない → マイペース。周りに流されない。
暗い → 落ち着いている
傷つきやすい → 人の気持ちがわかる
決断できない → 慎重に判断する
心配性 → 最悪の状況を考えて備えることができる
行動力が無い → じっくり考えてから行動する
自分が考えているマイナスなことに縛られず、プラスに転換していきましょう。
さて、今回は高卒認定合格の履歴書の書き方や面接の対策について見てきました。
面接は経験するほど慣れていくものでもあるので、どんどん面接を受けてみて前向きに自分をアピールしてみましょう!
面接に行く前には、考えたアピールポイントを声に出して読んでおくと、緊張した時でも話やすくなります。
それでは、なりたい自分になるために是非頑張ってみて下さい!