【分析】高認試験は独学で取れるのか!?


 

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「高卒認定試験」に合格することで、中卒者や高校中退者の方は大きなメリットを得ることができます。
①大学・短大・専門学校への「進学」
②高卒以上が募集条件となっている求人への「就職・転職」
③受験資格が高卒以上の「資格試験への挑戦」
将来への可能性が大きく広がることばかりです。是非とも高卒認定資格を取得したいですね!
しかし、そう簡単に合格できるものなのでしょうか?

 

独学でも高卒認定は合格できる!

①高卒認定の範囲は高校1年生修了程度

高卒認定試験の試験範囲は、中学~高校1年生修了程度で習う範囲です。
試験は、合格点に達した人は全員合格できます。

 

②試験の回答は全てマークシート!

試験の回答方法は全てマークシート形式です。
書かせる問題は出題されません。
選択肢は4択~5択ですので、「これは絶対答えじゃない」という選択肢を消していく「消去法」を使えば、もし分からない問題が出てきたとしても得点できる可能性があります。
かといって、「でたらめマーク」や「特定の番号のみマーク」などの神頼みは禁物です。
実際に筆者所属のスクールで実験をしてみましたが、合格点に届きませんでした。
マークシートだからといって、高認試験は試験対策をしないで受かる試験ではありません。
下に実験動画を貼っておりますので、ご興味がありましたら見てみて下さい。

 

【高卒認定試験全部2番で答えてみた】

【高卒認定試験てきとうに解いてみた】

 

③合格は100点満点中40点前後

合格最低点は100点満点中、40点前後と言われています。
その時々の試験や科目の難易度によって、38点でも合格する時もありますし、42点でも合格できない事があります。

50点で合格しなかったという話は聞きませんので、合格の目安である40点ではなく、50点くらい取れる学習をしておくと安心と言えるでしょう。

筆者所属スクールの生徒さんから自己採点結果を送ってもらい、
それをもとに合格したかしないかをチェックしています。

独学を目指す人は必見!「なぜ?」高卒認定の科目合格率は9割以上なのに、合格率は4割。

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高卒認定試験は、1度合格した科目は次回から受験をしなくても良いです。
つまり、合格科目を積み重ねることで合格を狙えます。
ここでは平成28年8月試験のデータをご紹介します。

 

【科目合格率(1科目以上合格した人の数)】

受験者(11428人)→科目合格者(10,377人)→科目合格率90.8%
つまり、1科目以上合格している人は9割以上ということになります。

 

【合格率】

受験者(11,428人)→合格者(4,588人)→合格率44.2%

合格に必要な科目を全て合格し、高卒認定合格者となった人は半分以下です。
この合格者の中には、過去に何度か受けて合格科目があった人も含みます。
 一発合格者の割合はもっと低いと予測できます。

文部科学省『平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験実施結果について』

①科目の多さが高卒認定試験の最大の難点

科目合格率が9割なのに、合格率が半分以下。
理由の一つは、合格に必要な科目の多さでしょう。

選択する科目によって受験科目数は8~10科目と差はありますが、
「多い!」と思いませんでしたか?
ひとつひとつの科目の難易度はそれほど高くないものの、受験科目数が多いので勉強範囲が広いことが最大の難点です。

しかし、これは余裕をもって早めに学習をスタートすることで回避することが出来ますよね。

 

②数学と英語が難しい

 

【暗記科目と違い、基礎が大切】

数学と英語は暗記科目と違って、基礎の積み重ねが大切になる科目です。
足し算ができなければ、掛け算はできませんよね?
英語も基本的な文法を理解しなければ、より難しい文法の理解はできません。

 

【回答はマークシートだが消去法が使いにくい】

まず、こちらをご覧下さい。

 

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4択です。消去法が使えます。
次に、こちらをご覧下さい。

 

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この数学の問題の場合、もはや4択ではなく9択に等しいです。
英語は、1つの問題に対して2つ合っている必要がありますから、4択に比べて難しいわけです。

文部科学省『高等学校卒業程度認定試験 平成28年8月試験』

 

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独学のメリットとデメリットを知っておこう

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独学に向いている人とは?

① 自己管理ができる人

独学を選ぶ場合、同じ試験やテストに向かって努力をする仲間やお尻を叩いてくれる人が居ない人が多いかもしれません。
そんな環境の中で勉強を継続するために必要なのは「自分の意志」です。

モチベーションを維持し、継続して勉強をするために自己管理が出来る人が、独学に向いているといえるでしょう。

では、どうすれば「自分の意志」を強く持てるのでしょうか?

大前提として、人は楽な方へ流れていくものです。
家で勉強をしていれば、周りにはスマホにテレビに漫画・・・と、誘惑は沢山あります!
それをはねのけ、まずは「絶対合格するんだ!」という強い気持ちを持ちましょう。
誘惑に負けそうなら、図書館や自習室など、集中できる環境で学習することもお勧めです。
また、合格後に叶えたい夢を机に貼って自分を高めることも効果的です。

 

② 過去問の分析ができる人

勉強を始める前に、「敵を知る」ことはとても大切です。

①どんな問題が出題されるのか
②まんべんなく出題されるのか、重点的に出題される箇所はあるか
③資料問題は出るか
④選択肢は消去法である程度消せるか
⑤自分の学力に対してどれだけの勉強時間を確保する必要がありそうか

これらの分析が出来る人は、独学で陥りがちな「非効率な学習」を回避し、合格を狙うことができるでしょう。

 

③ 基礎学力がある人

独学でどの程度基礎学力が必要なのかは判断が難しいところですが、

①勉強のやり方が全く分からない
②英語と数学の基礎が分からない+分からない場所までさかのぼって勉強する方法が分からない

人は、高卒認定の予備校や通信教育などの利用を考えても良いのかもしれません。

①の「勉強のやり方が全く分からない」人は、
数学・英語・国語以外の暗記科目を覚えるスピードがどうしても遅くなってしまいがちです。
合格まで何年もかかってしまうケースがあります。

②の「英語と数学の基礎が分からない+分からない場所までさかのぼって勉強する方法が分からない」人は、
分からないところまでさかのぼって学習し、次の難しい問題へ進んでいく力があれば問題ありませんが、さかのぼる力が無い場合は、予備校や通信教育を利用してみましょう。
数学は、足し算が分からなければ掛け算は分かりません。難しい問題を説けるようになるには基礎が大切です。

 

独学を目指す人は必見!効率よく学習して合格をつかみ取ろう!

①選択科目は易しい科目を選ぼう!

高卒認定試験には、必須科目と選択科目があります。
必須科目は選択のしようがありませんので、必ず受けます。

【必須】
国語・世界史・数学・英語

一方、選択科目は「選ぶ自由」があります。
筆者おすすめの科目はこちらです↓

【選択】
地理・現代社会・生物・科学と人間生活

 

◆「地理」か「日本史」か◆
日本史が好きな人や、進学受験のために日本史が必要でしたら、この機会に学んでも良いでしょう。
しかし、日本史は基本的な用語だけでなく、時代の流れと比較を理解しないと得点を得るのが難しいです。

◆「現代社会」か「政治経済および倫理」か◆
現代社会は1科目で済みますが、政治経済および倫理は2科目になります。
1科目で済む現代社会のほうが無難でしょう。

◆理科科目は何を選ぶか◆
勉強科目を少なくするならば、「科学と人間生活」を選びましょう。
「科学と人間生活」を選べば、あとは「化学」「生物」「地学」のうち1科目選びます。

お勧めは生物です。
生物は計算が少なく、覚えることが中心となる科目です。
合格率も高いです(当スクール調べでH28年8月試験の合格率72%)。

 

② 100点を取ろうとせず、合格点40点を取る勉強をする。

高卒認定試験は、100点満点中、40点前後で合格できます。
とはいえ、40点を取る勉強をすると危険ですから、出題範囲の半分(50点分)を取れるよう学習しましょう。
科目によって、「まんべんなく出題されるのか」「重点的に出題される箇所があるのか」をチェックした上で学習をスタートしましょう。
まずは試験問題を分析してみて下さい。

 

③過去問は必ずやっておこう!

教科書で用語を完璧に学んだとしても、実際の試験問題を解かずに本番に臨むのは危険です。
過去問を解くことは、大きなメリットになります。

 

◆50分の制限時間以内に解く訓練◆
当日に時間切れになったら、せっかく勉強した力を発揮しきれません。
時間配分を考え、どれくらいのペースで解いていけばよいかは事前に必ずチェックしておきましょう。

◆応用問題を解く訓練◆
試験は用語を聞かれるだけではなく、基礎知識をベースとした応用問題も出されます。
どんな問題が出ているのか事前にチェックし、パターンをつかんでおきましょう。

◆過去問の解説があれば必ず目を通す◆
過去問を解いて採点するだけでなく、
「なぜ合っていたのか」「なぜ間違っていたのか」までチェックをしましょう。
間違ったところの理由をつきつめると、自分の苦手分野やミスしやすい箇所を洗い出すことも出来ます。

 

いかがでしたでしょうか?
過去問を分析し、100点満点中50点を取る勉強をし、意思を強く持っていれば、独学でも合格は可能です!!
「でも自分は勉強が苦手だから・・・」と思っても大丈夫。
勉強が得意な人にアドバイスをもらってみましょう!
合格に大きく近づくはずですよ!

 

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